ECO board
なぜ、このタイミングなのか。
私たちがECOボードを推す理由。
ECOボードと出会うために、環境先進国・ドイツへ
環境先進国・ドイツで最も採用されている断熱材、ECOボード。
世界で唯一、木からできた断熱材として注目されています。kotoriでは、その優れた性能と、未来の環境に負担をかけない無添加の断熱材であることに着目し、ずっと以前から採用を検討してきました。
しかし、当時はECOボードを採用している会社が国内にはまだ少なく、実物を見ることはなかなかできませんでした。そこで、ECOボードについてもっと深く知りたいという想いから、2018年8月にドイツを訪問することにしたのです。
現地では、ECOボードの開発・製造を手がけるGUTEX(グーテックス)社を訪ね、工場内の様子や製造工程、製造状況などを見学。工場長さんから詳しい説明を受けることもできました。さらには、実際にECOボードを採用して建てられた家での生活も体験。断熱材としての優れた性能を肌で感じ取ることができました。
ドイツ訪問を通じて、ECOボードの素晴らしさは「想像」から「確信」へと変わりました。
それなのに、これまで当社で一度もECOボードを採用しなかったのは何故なのか。
・・・それには、次のような理由がありました。
実用化に立ち塞がる法律の壁
長期優良住宅の認定に必須となる通気構造
kotoriでは、「長期優良住宅」を標準仕様として住宅を建築しています。長期優良住宅には、さまざまな条件が課せられていますが、その一つに、構造躯体の劣化対策が挙げられます。具体的には、建物の劣化対策として、外壁通気構造を採用するか、製材にK3以上の防腐・防蟻の薬剤処理(工場処理)を施すことなどが定められています。
つまり、長期優良住宅の認定を取得するには、外壁と構造の間に通気層を設けるか、構造材に薬剤処理を施すといった劣化対策が必要なのです。
構造材の外部に通気を設けないECOボード
一方、ECOボードは、構造材の外部に通気層を設けないことを前提とした断熱材です。
また、ドイツにおいては、水蒸気を室内に留める化学材を建物の外皮に使用してはならず、透湿する外皮(水分を外に逃すこと)で結露を防止することが、建築基準法で定められています。つまり、「化学材を用いた非透湿の外皮は室内が蒸れる原因となるが、木材を使った透湿性のある外皮は、室内の断熱・気密性を保ちつつも湿気を透過するので、室内が蒸れない」という考え方をもとに、ECOボードの採用が推奨されているのです。
日本とドイツの工法の違いによる狭間で
このように、日本とドイツ、双方の工法に対する考え方は大きく異なります。しかし、私たちは日本で家を建てているため、国内の基準に従うしかありません。そのため、ECOボードがいかに優れた断熱材であるかを十分に理解していながらも、実際の家づくりに採用できず、これまでずっと歯痒い想いをしてきたのです。
進化に向けて、大きく前進
新たな技術で通気工法なしでも認定取得が可能に
ところが、2023年5月、状況は一変しました。
私たちが採用しているSE構法の供給元である株式会社NCN(エヌ・シー・エヌ)が、工場において構造材にK3以上の薬剤を注入することに成功し、外壁通気工法を採用しなくても長期優良住宅の認定を取得できるようになったのです。これにより、S E構法+ECOボードという最強のタッグがいよいよ実現可能となりました。
SE構法+ECOボードの実現で広がる住まいの可能性
地球温暖化の影響により、気候変動や異常気象が世界的な課題となっています。台風やゲリラ豪雨が各地で頻発し、災害に対する不安は募るばかりです。
夏の暑さや冬の寒さもますます激しくなる中で、今後は気候変動のリスクに耐え得る住まいをつくることが、私たちの大きな役割です。
そのためには、私たちの家づくりがこれからの時代にふさわしいのかどうかを常に検証し、必要に応じて進化させていく必要があります。
そのためにも、私たちは今後、SE構法に加えてECOボードを採用することで、構造・性能ともによりクオリティの高い住まいをご提供していきたいと考えています。
そして、これからも皆様の未来の暮らしを見据えて、どんな環境下でも年中快適に過ごせる家づくりを追求してまいります。