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こんばんは。
本日は、コロナ禍でなかなかお邪魔することが出来なかったこちらの施設にようやくお邪魔出来た。
というお話です。
埼玉県川口市にあります
エヌ・シー・エヌ 木構造技術センターTimber Structure Lab.(ティンバーストラクチャーラボ)さんです。
https://www.ncn-se.co.jp/timberlab/
ようやく来ることが出来ましたので早速レポートさせていただきます。
この施設は、日頃より耐震構法SE構法を通じて大変お世話になっております株式会社NCNさんが
今後、多様化が見込まれる木構造に迅速かつ柔軟に対応するために、2022年3月に社内施設として開設しました
「木構造技術センター(Timber Structure Lab.)」「SE構法の追求」「あらゆる木構造の開発」「未来に向けた基礎研究開発」を目的に、
SE構法の開発で培ったノウハウを活かした木構造の技術開発の拠点とし、
住宅規模から中層大規模木造建築物までの木構造に関する基礎研究、応用研究、開発研究を進め技術資産を構築していくものです。
本日は、弊社kotori と同じくSE構法の中でも選りすぐりの工務店の集まりで、
関西の重量木骨プレミアムパートナーのメンバーさんと共にお邪魔させていただいております。
SE構法の面材の強度を測定する200KN(20トン)面内せん断器試験機や
接合部や部材の強度試験(100トン)万能試験機などが設置されています。
本日は、柱脚金物の引抜き試験と耐力壁のせん断試験が行われました。
まずは、一般的な在来工法で使用されるホールダウン金物です。
少しづつ力を加えていくと、徐々に柱も浮き始め、
その後少しづつ金物が破壊されていき、最終的にこのように折れてしまいました。
どこの金物メーカーかは申し上げることは出来かねますが、
金物が折れてしまう前に柱がかなり浮いています。これは、在来工法の場合ですと、
ホゾが既に土台から外れている状態です。
したがって、非常に危険な状態ですね。
続いては、SE構法の柱脚金物PB12です。
さて、ここで質問です。
SE構法の柱脚金物の場合は、どこから壊れていくでしょう?
ドリフトピン辺りの木部?
アンカーボルト?
それとも柱脚金物?
答えは、こちら↓
徐々に柱脚金物下部が曲がっていき、
金物の溶接部が破壊されます。
これは、繰り返し起こる地震のような揺れにも耐え、
粘りを持たせる為に意図的に金物が最終的に基準の強度に達すると破壊されるように設計されています。
因みに今回の引抜き強度は、11tでした。
そして、最後は面材のせん断試験です。
この試験は、なかなかお目にかかることが出来ないメートルも伸び縮みが可能なアクチエーターと
呼ばれる機械により左右より応力を掛けていきます。
2.5tの荷重をあたえた辺りからミシミシと音が鳴りだして、
今回は、2.7tでせん断破壊をしました。
ご覧の通り、1級構造用合板がものの見事にせん断破壊しています。
合板がせん断破壊したのと同時に柱脚にも応力がかかり、
柱脚金物のドリフトピン周りの柱もせん断破壊をしています。
実際にこのように柱脚金物が破壊する、若しくは柱脚金物のドリフトピン周りの集成材が
破壊するほど、応力が建物の最下部に伝わることはあり得ないと思いますが、
もし仮にこのような状態になるほどの大地震が起きようものならば、SE構法の建物が崩れる前に
その他の建物が倒壊していることは間違いないでしょう。
私は、今回のこの実験をもってSE構法のすべて(集成材工場から始まり合板工場、金物工場、塗装・熔接工場)を
コンプリート出来たと自負しております。
まさに百聞は一見にしかず。
今後は今まで以上に、お客様へSE構法を自信をもってお勧めできます。
今回もNCNの皆さん、このような機会をくださり本当にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
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