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UA値の真実

2023.07.10

こんにちは。

 

 

 

『UA値』という値をご存じでしょうか。

 

 

 

『UA値』は『外皮平均熱貫流率』の略称で、建物内部の窓や壁などから

 

 

 

外部へと逃げる熱量を、外皮等の面積全体で平均した値で

 

 

 

わかりやすく言えば、住宅の『熱の逃げやすさ』を表した数値です。

 

 

 

 

値が小さければ小さいほど断熱性能に優れていると言えます。

 

 

 

 

計算するには、壁や屋根、窓や基礎(床)を形作る構成で

 

 

 

実際に使用するものの『厚み』と『熱伝導率』、『面積比』等から

 

 

 

平均の『熱貫流率』を割り出し(※大分、省略しています。)

 

 

 

それらを全て足した『外皮熱損失量(=家全体から逃げる熱量)』を『外皮面積(=家の外側の総面積)』で

 

 

 

割ることで1㎡あたりの値を割り出しています。

 

 

 

 

そのため良い『UA値』をたたき出すためには、構成材料の『熱伝導率』がなるべく小さいものを選び

 

 

 

その素材をなるべく厚く入れてあげれば良いわけです。

 

 

 

 

日本では現在、この『UA値』が建物の断熱性能を表す指標となっており

 

 

 

この値も材料のひとつとして『一次エネルギー消費量』の計算もされるのですが

 

 

 

実は、実際の温熱環境を考えた時、大切な要素がひとつ、抜け落ちてしまっています。

 

 

 

 

『重いものは、あたためにくく、冷めにくい』と聞いたことはありませんか?

 

 

 

中学生が理科でならう『比熱』の話しですね。

 

 

 

『UA値』については、この『比熱』がすっぽりと抜け落ちてしまっています。

 

 

 

 

例えば、高性能グラスウール16㎏/㎥の熱伝導率は0.038W/m・K。

 

 

 

セルローズファイバーの熱伝導率は0.040W/m・Kです。

 

 

 

0.038W/m・K < 0.040W/m・K なので

 

 

 

高性能グラスウール16㎏/㎥のほうが、高性能と言えます。

 

 

 

しかし、『比熱』を比較すると

 

 

 

高性能グラスウール16㎏/㎥は、13.44kJ/㎥・K。

 

 

 

セルローズファイバーは、85.2kJ/㎥・Kとなり

 

 

 

セルローズファイバーの方が比熱が高い→蓄熱性能が高い素材となります。

 

 

 

 

『熱伝導率』と『比熱』のどちらに傾いてしまっても良くないので

 

 

 

海外、特にドイツでは、『熱伝導率』と『比熱』の2つと『密度』の関係性を表した数値

 

 

 

『温度伝導率(熱拡散率)』を、断熱材の性能の指標としていたりします。

 

 

 

 

『温度伝導率(熱拡散率)』で言うと

 

 

 

高性能グラスウール16㎏/㎥は、0.000177㎡/s。

 

 

 

セルローズファイバーは、0.0000085㎡/s。

 

 

 

 

数値だけではわかりにくいですが、熱を通すスピードで言えば

 

 

 

高性能グラスウール16㎏/㎥は、熱を反対側に通すのに大体1.5時間かかりますが

 

 

 

セルローズファイバーの場合は、大体4時間もかかります。

 

 

 

 

ただ、UA値で言えば、セルローズファイバーより高性能グラスウール16㎏/㎥を使用したお家の方が高性能です。

 

 

 

 

 

ちなみにkotoriで標準採用されている『ECOボード』の温度伝導率は、0.000006㎡/s。

 

 

 

熱を反対側に通すのに大体12時間ほどかかるので夏の日差しからも十分室内を守ってくれますが

 

 

 

熱伝導率はセルローズファイバーとさほど変わらないので

 

 

 

やはりUA値で言えば、高性能グラスウール16㎏/㎥に劣ります。不思議です。。。

 

 

 

 

UA値が小さいに越したことはないですが

 

 

 

そこまで信用に足る数値ではないかな、と思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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